「……っ、」
体が極端に怠い。
……熱、出てるんだろうな。
もう、なんでも、だれでも良いから助けて欲しかった。
さっきまでいたあそこには戻れない。
二度と戻りたくない。
でもそんなこと叶うわけない。
だからと言って、救ってくれるのは本当にだれでもいいわけでもなかった。
───どうせなら、あの男、以外に。
……もし、あの男に出会ってしまったら。
それは、きっといちばん恐れている事態になってしまう。
それだけは、回避しなければならなかった。
……そもそも、わたしみたいな女をあの男が相手にするなんてこと、天と地がひっくり返ってもないと思うけど。



