きゅっと彼の口角が上がったのが見えた。
それすらも妖艶で、いとも簡単にクラッとしてしまう。
またもや顔を近づけて押し倒そうとしてくる麗日を、なけなしの理性で止める。
「れいひ、」
か細い声にも、彼は必ず反応してくれる。
「ん、なに」
「も、しんどい……よ、」
「もっと、しんどくなればいい」
今日の彼は、少し強引だと思った。
いままでなら、わたしの言葉で絶対に止めていたはずだ。
どうして、彼のストッパーが外れてしまったんだろうか。
わたしにはわからないけれど、麗日はいま、何かを抱えているのかもしれない。
そして……余裕があるのか、ないのか。
麗日は読めない表情を浮かべ、眉を下げた。
「なーどうしよ」
「……?」
「全然うるが足りないんだけど」



