これ以上近づいたら駄目だと、わたしの頭が言っている。
それなのに、麗日に呼ばれたら、断ることなど到底出来ないのだった。
「ていうか、レイくん。さっさと仕事してよ」
「はあ? これでも真剣にやってんだよ」
「嘘だろ。ずっと『うる遅い無理ひま帰りたい』ってうるさかったくせに」
「……京な、うるの前でそんなんバラして良いと思ってんの? あ?」
「もーいいから早く終わらせようってば……」
不機嫌になりながら書類をパラパラめくる麗日に、そんな彼を呆れたように見つめる京さん。
そうして弾さんはわたしに「ここうるさいし車乗って待っとく?」と配慮してくれる。
幸せだなあ、と。
不意に思いながら首を横に振った。



