ゆっくり麗日たちのいる部屋へ戻る。
すると書類の束を難しい顔をして眺めていた麗日が、わたしを見た。
彼は途端に柔らかい笑顔を浮かべて、優しい声を掛けてくれる。
「おかえり、うる」
極上に甘い声を聞くと、急激に心が温まる。
わたしはここにいて良いんだ、と錯覚してしまう。
「うるちゃんがいなくなってから、レイくんがどんどん不機嫌なって大変だったわ」
「本当めんどい男だよ、麗日って」
「ざーんねん。そんな俺が良いんだよ、うるは」
口々にわたしを迎えてくれる3人の表情を見ていたら、なぜか足が竦んでしまう。
ああ、どうしよう。
わたしは早く消えないといけないのに、縋ってしまいそうになる。



