Hush night



……ごめんね、麗日。

ぐっとその言葉を堪え、わたしはわざとふいっと顔を背けて非難する。



「……麗日、……わたしに太ってた、って言いたいんでしょ」



話題を蒸し返すと、麗日は平然とした顔で首を横に振って否定した。



「いや。もっと太れってこと」

「……やだ」

 
「やだじゃねえ。じゃあもっと食べさせる」

「……食べない」


「俺の手料理でも?」

「それは……食べる、」


「ふは、俺の勝ち」



わたしの扱いなど余裕だと言うように笑う麗日。

たまに見せる無邪気な笑みは、途端に美麗な彼を幼くさせてドキッとする。


いつだってドキドキしているのも、余裕がないのも、わたしのほうだ。

幸い、感情が表に出にくいおかげで、それをあまり麗日に悟られていないはずだ。


麗日の余裕さはどこから出てくるんだろう……と不思議に思いながら口を開く。