そういえばこの人、出逢ってすぐのときに、大きいほうが好きと言ってたな……。

わたしも、麗日と過ごすようになってご飯をしっかり食べ、太ってきたなと思っていたのだ。



でも、だからダイエットをして痩せたわけではなかった。

わたしだって、……麗日好みの体型になりたいもの。



「なんか、あった?」


彼は心配そうに顔を覗き込んでくる。


その不安そうな表情を見ていると、思わず抱きついてしまいそうになる。


彼の包容力は、わたしを駄目にする。



「……なにも、ないよ」



絞り出したわたしの言葉に、麗日はじっと目を合わせて思案している。

掘り下げるべきか、否か。


迷っているのはわかる。

でも、わたしだって、……何もかもこの人に話すわけにはいかないのだ。



「……ん、そっか」



困ったように目を伏せ、麗日はわたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でて誤魔化した。