「じゃ、決まりな」



途端に機嫌を直して、わたしの頬を両手で挟む麗日。

まじまじと顔を見られると少し恥ずかしい。


ふに、と頬をつねられ、目を瞬かせる。



「頬つねっても可愛いんだもんな」

「……?」


「てかうるって存在が可愛いんだわ」



ひとりで納得している麗日に首を傾げる。


褒めてくれていることはわかったけれど、掴めない言葉たちだったから戸惑ってしまう。



麗日は最近よく“可愛い”と言うようになったけれど、やはりいつまで経っても慣れない。