「スイのことは、俺がなんとかする。彼の参謀など捜さなくて良い。組の空気が悪くなるだけだ」



麗日の迷いのない言葉に、組員全員が「了解致しました」と頭を下げた。


先程叫んだ年配の組員も、後悔するように唇を噛んで俯いている。



彼の言葉ひとつで空気が一変することをまざまざと見せられ、改めて彼の影響力を知った。




「京と弾は、3日後の夜にここに集まってくれ。もう少し情報が欲しい」


「わかりました」

「了解です」



そうしてひと通り麗日が組員を見回すと、それが会議の終わりの合図のように、皆が一斉に立ち上がった。


その迫力に圧倒され、わたしも少し離れた所に立つ。




「次の会合は来月の第2週の土曜日だ。他、何か連絡のある者は?」


誰も挙手しないのを見届けると、麗日は黒い瞳を光らせて頷いた。



「以上。解散」



彼の言葉に、皆散り散りと去っていく。