「そうか」
そうして、考え込むように黙ってしまった麗日。
皆、この場のトップである麗日の言葉を待つけれど、彼は依然としてまだ何も言わない。
「────スイ様の参謀がすぐ近くまで迫っているのですよ。レイ様」
穂積さんの固い声が静かな一室に響く。
何度も耳にする“スイ”という人物の名前。
状況の把握が難しくて困っているわたしの表情を読み取ったのか、麗日とは反対側の隣に座っている弾さんが珍しく小さな声で教えてくれる。
「『獅童組』のトップは麗日だけど、その裏には麗日のことをよく思っていない奴等がいる。大きく言えばそいつらも組員なのだけれど、その影の集団を統帥しているスイさんは……麗日のことが心底大嫌いなんだ」
「だい、きらい……」
「そう。麗日が現れたことによって、自分が『獅童組』の頭になれなかったから」



