Hush night



「……うん、」



大きな愛を、小さな声で受け止める。

こういうとき、なんで言えばいいのかわからなくて、ただ頷くことしか出来ない。


感情が表に出にくいわたしの表情の機微を見分けられる麗日は、柔らかく微笑んだ。



「まあそういうことだから、分かっててな」



途端に緩い雰囲気になり、こくりと首を縦に振る。



優しすぎて、辛い。

わたしには、本当に勿体ない人。



彼の無償の愛がわたしに注がれていることを実感したいま、ふと力を抜いたら涙が溢れてしまいそうだった。




「ん、寝ていいよ」



落ち着いたトーンの、彼の低い声。

少し掠れた低音が心地良い。



「……おやすみ、なさい」



呟けば、彼も「おやすみ」と返してくれる。

わたしが寝付くまで、優しく背中を撫でてくれる大きな手。


瞼を閉じると、じわりと滲んでいた涙が溢れないようにするのに必死だった。

それでも彼の包容力に、睡魔が襲ってくる。






この日々を壊す暗雲がすぐ近くまで迫ってきていることを、このときのわたしは充分に……わかっていた。