……わたしは、何をしているんだろう。 麗日と離れなければならない時は、刻一刻と迫ってきている。 まだ、見て見ぬ振りをしていたい。 麗日がいる部屋に帰ることができる幸せを、噛み締めていたい。 「……早く、帰ってきて、れいひ」 どうにも逃れられない不安を振り払う。 静まり返った部屋を意識せぬよう、麗日の匂いで心を落ち着かせる。 もし麗日に何かあったら、わたしは────。 小さく息を漏らしながら、スマホをそっと手に取った。