麗日には、手を伸ばしたくなるし、声をかけたくなる。
わたしの目を見てほしいし、どこにも行かないでほしい。
自分がこんなに我儘だったなんて知らなかった。
何を言っても受け入れてくれる麗日の包容力は、わたしを駄目にしているのだと思う。
欲を言うなら、麗日を自分から求めたい。
でもそれはできない。
それを薄々感じ取っているであろう彼は、わたしが何も考えないで良いように、唇を重ね続けた。
息が荒くなり、本格的に苦しくなる。
麗日の片手は相変わらず優しくなぞるように触れてくるせいで、身体が熱くて仕方がない。
貪るようにお互いを求めながらベッドに沈んでいくわたしたちは、不器用な似た者同士だ。
苦しい息の中、ぎゅっと麗日の背中に腕を回すと、彼は目を細めて言った。
「ちょっと痛いことしても、嫌いになんないでくれる?」
わたしが麗日を嫌うことなどあり得ない。
他人よりは痛みに耐性がある方だし……と妙に冷静な頭で考えながら、ゆっくりと頷いた。



