Hush night



そのまま軽々と持ち上げられ、優しくベッドの上に押し倒される。


こういうときに、わたしを雑に扱わないところが麗日らしいと思う。



ドサッとふたりで倒れ込むようにベッドに沈んだ。



いままで寝るときは、麗日が家にいるときは交互でベッドを使うようになっていた。

理由はシングルベッドが少し狭いことと、彼が『確実手出すから俺がソファで寝る』と言い出したことだ。


麗日だったら何をされても嫌じゃなかったけれど、そんなことを言う勇気などなくて、未だにふたりでベッドに入ったことはほとんどないに等しかった。



「今日は一緒に寝ような」



もの寂しい気分になっていたのは、わたしだけじゃなかったのだろう。

麗日はそう言いながら、わたしの頬にキスを落とした。


触れ合ってもまだ、足りない気がする。


心が近づいている実感がないから、触れ合うしか距離を詰める術がなかった。


不器用なのはお互い様だ。



心の内は明かさないけれど、真実なんてどうでもよかった。

ただ彼が隣にいてくれるだけで幸せだと思っているから。


きっと麗日もそう感じてくれている。



その証拠に、彼の瞳は切なそうに細められているけれど、触れる手はいつにも増して優しかった。