「高校んのときは明るめの茶髪か金髪で、卒業後は暗めの茶髪とか?」
「そ、そうなんだ……」
「でも夏休みとか長期休みのときは気分で青とかやってたわ」
「……?! 青?」
なかなか見ない色……。
でも、わたしが知らない麗日を見てみたい気もする。
きっと彼のことだから、何色でもどんな髪型でも似合ってしまうのだと思う。
何より美麗なのは、幼い頃からずっと変わっていないはずだ。
「いまより結構自由にやってたからな」
麗日はそう言って、過去を思い返すように目を細めた。
いまもかなり自由に見えるけれど、実際のところはわからない。
大きな組織のトップというのは、わたしなんかじゃ計り知れないほどの苦労があるのだろう。



