その気持ちが声のトーンに出ていたのか、彼はクスッと笑って首を横に振った。
「いや、うるに似合ってるって言われたし、しばらくこのままでいるわ」
「……本当?」
「ほんとほんと。俺の世界は、うる中心で回ってっから」
「大げさ、だよ……」
「真面目に言ってるって」
可笑しそうに喉を鳴らす麗日。
あんまり信じられないのは、彼の口調は常に飄々としている節があるからだ。
麗日の心の奥を、見たことがない。
わたしも見せようとしないからある意味フェアなのだけれど、彼が本当は何を考えているのかいつだって想像すらつかない。
「麗日は……銀髪のほかに、何色に染めたことがあるの?」
拙くゆっくりと尋ねるわたしが言い終わるまで、急かさずじっと黙って聞いてくれる優しい麗日。
わたしの質問に、彼はうーんと思い返すように天を仰ぐ。
そんなに沢山染めてきたのか……と内心驚いていると、彼は明後日の方向を見ながら教えてくれた。



