「うる乗せて事故とか絶対ありえないから安心しろ。万が一事故ったら、うるだけでも死んでも守るし」


「ま、万が一……」


その発想が怖い……。

森さんが心配していたことを激しく共感しながら苦笑した。



麗日に“守る”と言ってもらえると、本当に自分の周りに鉄壁が生まれたような気分になる。


それほど彼の言葉には重さがあるし、何より信用出来るのだ。

わたしが何をしても許してくれるような寛容さもあり、その優しさに包まれているわたしは幸せなのだろう。



「今度、実験台に弾乗せて走るわ」

「……、不穏な響き」


「あいつは事故如きで死ぬような奴じゃねえもん」



なんだかんだふたりとも仲良いんだから……と少し頰が緩む。

言い合いばかりしているし、表向きには主従関係だけれど、やっぱりお互いがお互いを信じ合っているところは羨ましい関係だと思った。