……また、そういうこと言う。
甘い言葉は偽りじゃないってわかっているけれど。
現実味のない泡沫の日々が、わたしの世界を暗転させていく。
「じゃ、帰りはスーパー寄ってくか」
こくりと頷きながら、隣の麗日を見上げる。
彫刻のように美しい彼は、光を跳ね除けるような銀髪も相まって、スーパーにいるところを想像できない。
なんなら、食料品は配達で全て賄っていそうだけれど……。
じっと見上げているわたしの視線に気がついたのだろう、麗日は首を傾げて見つめ返してくる。
「うると買い物したいだけ」
考えが顔に出ていたのか、麗日はちょっぴり笑ってそう言った。
「……うん」
こういうとき、素っ気ない返事しか返せないわたしは、優しい言葉に慣れていないのだと思う。
麗日の優しさに触れながらも、まだちゃんと心が溶けきってないのかもしれない。



