わたしにはわからない会話が多いけれど、『獅童組』の根幹に携わる人々の空気感を触れ、やはり緊張で疲労が溜まる。
ひとりで麗日の部屋にいるのも寂しい反面、こうやって彼の仕事に着いて行くのも疲れてしまう。
わたしってこんなに我儘だっけ……と思いつつ、静かに麗日の横に居続ける。
「そろそろ、事が動き出してるぞ」
わたしにわざと聞こえるように、弾さんは少し強めの口調でそう言った。
「わかってる」
麗日はただひと言答えただけだったけれど、弾さんは頷き、片手を上げて何処かへ行ってしまった。
すると、麗日は片手でパラパラと書類を眺め出した。
目を光らせながら、時に手を止めて熟考し、わたしなど視界に入っていないんじゃないか……と不安になるほど真剣にそれらを読んでいる。



