「……レイ様はどうしてあの方を」
「どこの出か分からない人間であるのに……」
「『獅童組』としては、レイ様のお若さを心配する声も少なからずあるのですから……」
「ですが、レイ様はあの方が倒れているところを慈悲深く助けてあげたのでしょう……」
「組の会合に参加させるというのもどうかと思われるのですが……」
蔑み、憐れみ、欺瞞。
どれもこれも鬱陶しい。
わたしのことを言っているのは明白だ。
それに対して、あの環境を思い出してしまうのは……不可抗力。
麗日は、誰とも目を合わせなくていいと言った。
それは、こういうことだったのかもしれない。
どこの人間かわからないが故に、心無い言葉を掛けられるのは仕方がない事だ。
わたしの居場所はここではない。
そう認識せざるを得ない視線を浴びて、心がまた凍っていくのを実感した。



