Hush night




「いらっしゃい。今日もレイくんの独占欲が強いことで」


ただ例外なのは、この人だけだと思う。

にこにこと微笑みながらも、何を考えているかはさっぱりわからないけれど。


京さんは、わたしを部外者として見ていないし、何も聞かずに純粋に話しかけてくれる優しい人。


ほっと出来るような安心感があるのは、少し麗日と似ていると思った。



「京、うるのこと見んな」

「はい? そろそろレイくんおかしくなったんじゃないの?」


「うざい。さっさとうると帰りたい」

「レイくんが盲目すぎて面白いわ」



ケラケラと軽く笑ったあと、京さんはわたしを見つめてくる。


「前より、ちょっとだけ表情が柔らかくなった?」

「……え」


予想もしていなかった言葉に、驚いて目を見開いた。

言われてみれば、緊張感や傷の痛みが和らぎ、感情も少しばかり豊かになった気がする。


たった数分話しただけの、そんな些細な事を気づく京さんは凄腕の情報屋だということを、認めざるを得ないと思った。