Hush night



「え、あのさ、うるってなんでそんな可愛い顔してんの?」


そしていま、麗日はとても怒っている。


「……え、っと、」


そんなこと聞かれても……と困っていると、彼は構わず続けてくる。


「視線集めてるの嫌すぎて無理」


いや、それはわたしなんかが麗日のとなりにいるからでは……。


『獅童組』の人たちは、わたしを“他人”という目で見ている。

それは最初ここに来たときと変わらない。


もちろんわたしは『獅童組』の人間ではない。

何故かある日麗日に拾われた、ただそれだけの“物”なのだと思う。



疑いの目や蔑みの目は慣れている。

誰かを信じたことも、誰かに信じられたこともない。


そういう世界で生きてきたくせに、どうしてか麗日には心を解されてしまっている。



「あ、うるちゃんだ」



突然、背後から声をかけられ、驚いて振り向く。

そこには先日お話しした京さんが立っていた。