言葉にするのは、恥ずかしいから嫌だ。
そもそも、人と話すのは抵抗があるのに、麗日だけは何故か他の人より話しやすい。
だからといって、素直な気持ちを口にするのは躊躇いがある。
でも……。
わたしの言葉が出るまで、じーっと飽きることなく眺めてくる彼の視線から逃れたいから。
彼の思う通りに口を開いたのは。
ただ、それだけの理由だ。
「れいひ、……だけ、」
消えそうな小さな声で言う。
もしかしたら聞こえてなかったかも……と思うほどの声量だったけれど。
麗日は、わたしの言葉を噛み締めるように沈黙したあと、キュッと口角を上げた。
「うん、知ってる」
……?!
知ってる、なんて、あまりにもひどくて狡い。
それなのに怒る気にもなれないのは、わたしがとっくに彼に溺れているからだ。



