Hush night




「れ、麗日……っ、」


なんとか声を上げると、麗日は上目遣いでわたしを見つめてくる。



「なーに」



きっときっと、わたしにしか聞けないほど優しい声。

恐ろしいほどに、麗しい人。



どうにかこの状況から抜け出したい……。


少し身体を離した隙に、自ら彼の胸板におそるおそる抱きついた。

途端にドキドキより安心感が勝ち、呼吸が安定する。


「そんなくっつかれると、色々我慢できねぇんだけど?」


そう言う癖に、揶揄うように声が笑っている。

わたしよりもずっと余裕そうな彼には、これからも勝てそうにないと思った。