「れ、麗日……っ、」
なんとか声を上げると、麗日は上目遣いでわたしを見つめてくる。
「なーに」
きっときっと、わたしにしか聞けないほど優しい声。
恐ろしいほどに、麗しい人。
どうにかこの状況から抜け出したい……。
少し身体を離した隙に、自ら彼の胸板におそるおそる抱きついた。
途端にドキドキより安心感が勝ち、呼吸が安定する。
「そんなくっつかれると、色々我慢できねぇんだけど?」
そう言う癖に、揶揄うように声が笑っている。
わたしよりもずっと余裕そうな彼には、これからも勝てそうにないと思った。
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