Hush night



「これでいつでも、離れてても話せる」


嬉しそうに目を細める麗日。

ただの連絡先でこんなに喜んでもらえるなんてびっくりで、わたしにも笑みが伝染する。



「……うれしい」


そっと呟くと、麗日はチラリとこちらを向く。

目が合い、テーブル越しに彼はわたしの頬に手を添えて言う。



「うるが笑ってる」



愛おしそうに見つめられ、ドキッとする。

気づけば幸せの日常の狭間で、笑顔が自然に溢れるようになっていた。


麗日はテーブル越しだと言うのに、キスをするほどの近い距離でわたしの瞳を捉えてくる。



「笑ってんの、可愛い」

「……、っ」


「照れてんのも、すげぇ可愛い」



どこまで甘やかすの。

どれもこれも優しくわたしを包み込んでくれる柔らかい言葉。



ぱっと俯き、照れ隠しに麗日のパエリアを掻きこむ。

美味しくて、心もお腹も満たされて……幸せすぎてどうにかなりそうだった。



「それ、美味しい?」


麗日にこてんと首を傾げて問われ、あざとい……と思いつつ、勢いよく頷く。


「……すごく、すごくおいしい」

「そうか。なら俺も嬉しい」


「麗日……料理、じょうずだね」

「まあけっこう得意かも」