Hush night









全身がジンジンする。

痛い、なんて言葉で表せるほどの甘いものじゃない。


蒸されたように熱を帯びる自分の体に、鞭を打って歩く。



闇夜の繁華街。

どうしてこんなところに来てるかなんて、わからなかった。

ぜんぶ知らない振り、わからない振り。



異様な空気を纏うわたしに、闇の住人はチラチラとこちらに視線を向けている。


この真夜中の時間帯にこんなところにいるような人でも、わたしに関しては気味が悪いらしい。



それは、そうかもしれない。

傷を顔や身体中に沢山負っても構わず、ただ歩き続ける女なんて、どこからどう見ても異様すぎる。