あっという間に12月の上旬が終わろうとしている。

私は表面上、何も変わらずに過ごしている。

もう、千景さんに会うことは半分諦めた。

未だにお墓だけでなく砂浜に行くのは、千景さんと過ごした日々を思い出にするため。

再び、あの幸せな日々が戻ってくる、なんて夢を見ないように。

でも、時々何もかにも耐えられなくなって叫び出したくなる。

どんなにいつも通りに過ごしても、思い出にしようと努力しても、結局私は心の奥底で千景さんを求めてしまう。

全てがグチャグチャで、自分の感情が理解できなかった。

そんな私に気づいているであろう、梨奈も踏み込んでくることは無いものの、心配してくれているのがわかる。

たくさん遊びに誘ってくれるし、今まで以上に明るく振る舞ってくれる。

申し訳ないとは思うけど、素朴な優しさが嬉しかった。