孤独な少女は優しさに堕ちていく。

始めは、頼りない女の子だった。

女性じゃなくて、女の子。

頼りなさげで、過去に縛られていて、幼子に手を差し伸べるような感覚で手を伸ばした。

でも、後になってその判断が間違っていたことに気がついた。

少しずつ芯のある女性になっていく姿に、いつの間にか、目を奪われていた。

水族館に誘われた頃には、とっくに俺は乙葉ちゃんに魅せられていた。

乙葉ちゃんが好きだ、と。

ちょっとしたことでも初心な反応を見せてくれる乙葉ちゃんが、かわいくてたまらなかった。

本当は、水族館の帰りに俺の思いを伝えるつもりだった。

でも俺はあの日、変わってしまった“元”仲間に出会ってしまった。

怯える乙葉ちゃんを見てしまった。

どんなにきれいな未来を用意しても、過去は変えられないんだ、と気づいた瞬間だった。

俺は乙葉ちゃんと一緒に居て良いような人間じゃない。

俺が今からどんな努力をしようとも、汚れきった俺が変わることはない。

苦しかった。

悔しくて、悔しくて、今までの自分を恨んだ。

だから、俺は少しだけでも乙葉ちゃんの記憶に残りたくて、あのさくら色の貝殻を渡した。

もう二度と会うつもりはないくせに。





---永遠の愛をきみに。