拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 彼がこれまで孤児院を尋ねてきた時は、私とミリアが花を売りに行くタイミングで一緒に孤児院を出ることが多かった。
「あ、ああ。たまたまこの後の時間が空いていてな」
 なぜかファルザード様は少し早口で答えた。
「そうでしたか」
「今日は他に作業をするのか?」
「いえ。これでお終いにします。実は、家族から最近屋敷を長く空けていることに言及されてしまって。なので今日は少し早めに帰って、午後のお茶の時間を家族と過ごそうかと」
 わりと早い時期に、家族には孤児院に足を運んでいることを伝えていた。最初は好意的に受け止めてくれていた両親だったが、私が毎日のように通い詰めているうちに段々渋い顔をするようになった。
 貴族令嬢の慰問、それ自体はけっして珍しいものではない。しかし、それが連日ともなれば話は別ということらしい。