拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 ただし、ここで言う手仕事はけっして押し付けられてのものではない。院長先生は子供たちに過剰な労働を押し付けたりしないが、孤児院の懐事情をよく知るここの子供たちは、女の子だと繕い物を請け負ったり、男の子だと近隣の手伝いに出たりと自主的に動いていた。
 そんな中で、ミリアは年長の女の子らに交じっての針仕事ではなく、収入獲得の手段に花売りを思いつき、ひとり動きだしたというわけだ。
 ……改めて考えてみると、十三歳にしてすごい行動力よね。
 もっとも、萎れかけた花が実際に現金化できたかと言えば、それはまた別の話ではあるけれど。
「ミリアは今日は朝から孤児院を空けているそうです。なんでも、院長先生の外回りに同行したとか」
「ほう。では、この後の花売りは?」
「今日の花売りはお休みです。毎日摘み取っては花にも負担ですし。数日にいっぺんくらい花を休ませてあげた方がいいかもしれないと、ちょうどミリアとも話していたところなので」
「そうか」