拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「そういうことでしたら、喜んでちょうだいします。ありがとうございます、とても助かります」
 作業の手を止めて肥料を受け取ろうと両手を伸ばしたが、彼はそれを緩く首を振って制す。
「ひとまずあちらの園芸小屋に入れておけばいいか?」
「はい。すみません」
 彼は重そうな麻袋を軽々と小屋に運び入れて戻ってくると、ふと気づいた様子で口にした。
「ところで、ミリアはどうした? ひとりとは珍しいな」
 このくらいの時間、いつも私と花畑にいるミリアの姿が見えないことに、ファルザード様は首を捻った。
 ちなみに、普段から花畑にミリア以外の子供たちはあまり顔を見せない。幼少の子らは日中の時間、職員さんが一室に集めて保育しているし、もう少し大きな子供たちは割り当てられた当番を熟す他、各自の手仕事に忙しいからだ。