拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 ティーナの腕のバスケットの中から、おかんむりのラーラが叫んでいた。
 ふむ。ザイオンは気づいているのだろうか。己が『また』と、再びラーラに会うのを当たり前のように想定していることを。
「ばいばーい!」
「ありがとうございました!」
 だが、今くらいの時間にここいらに来れば、また花を売りに来ている彼女に会える。孤児院を尋ねていくことも可能だ。
 ……そうだな。ラーラの状況も気にかかるし、また様子を見に来るとしよう。
 背中にかかるふたりの声に、後ろ手にひらひらと手を振って応えながら、俺も早々に彼女とまた会うことを考えだすのだった。

◇◇◇

 ファルザード様と初めて会った日から、一カ月が経った。
 あれから彼とは、ミリアのお付き合いで花を売り歩いている時に出くわしたり、日によっては孤児院に差し入れを持ってきてくれたりと、なんだかんだでほぼ毎週のように顔を合わせるようになっていた。
「やぁ、ティーナ。精が出るな」