拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「あたしはミリアだよ。近くの孤児院に暮らしてる」
「ではミリア、彼女に付き添う役目を、君に任せても大丈夫かな?」
 本音を言えば孤児院までどころか、そこから先の自宅までだって俺が送っていきたいところだ。ただ、出会ったばかりの俺にそこまでされるのをティーナは望まないだろう。
 それにまだ時間は早い。孤児院で用事などを済ませても十分に日は高く、往来に危険もないはず。
「うん! もう真っ直ぐ孤児院に帰るだけだし、問題ないよ。任せて!」
「そうか」
「ファルザード様、今日は本当にありがとうございました」
 ティーナが綺麗な所作で、俺にそっと腰を折る。
「なに。さっきも言ったが、大事にならなくてよかった。それじゃあな、ティーナ」
 ポンッと彼女の肩を叩き、ふたりに背を向けて来た道を歩き出す。
『ニャー《またな、チビ助》』
 ザイオンがラーラを揶揄うように告げ、颯爽と俺の後に続く。
『みゅー《あたち、チビ助じゃないもんっ》』