拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 待ち合わせ相手が男ではなかった。そのことに、ひどくホッとしている自分がいた。
「……なぁ、ティーナ。この胡散くさい人、誰? カルマンさんと一緒だったんじゃないの?」
 ティーナの腕の中から、ミリアがこちらにチラチラと不審そうな目を向けてくる。
 しかも胡散くさいとはまた、ずいぶんな言いようだ。
「実はね、ミリア。カルマンさんとの取引はなかったことになったの」
「えっ!?」
「カルマンさんからのお話自体が違法なもので、ちょうどその件を調査していたファルザード様が気づいて助けてくださったのよ」
 ティーナはミリアに事情を掻い摘み、かつ深刻になりすぎないよう、上手に説明をしていた。ついでに俺のこともうまく立ててくれるあたり、本当によくできた娘だと感心する。
「嘘。そうだったんだ」
「ごめんなさい。定期収入が入るだなんて、期待させてしまって」