拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 そうこうしているうちに、彼女の待ち合わせ場所になっている馬車駅が目の前に見えてきた。
 その時。
「ティーナ!」
 馬車駅に手持無沙汰な様子で立っていた栗色の髪と目の十二、三歳の少女が、ティーナを視界に映すや一目散に駆けてくる。
「ミリア!」
 勢いよく飛び込んできた少女を、ティーナがその胸に抱き留める。勢いを殺しきれず後ろにたたらを踏む彼女を、俺は咄嗟にその細い背中に手を添えて支えた。
「ごめんなさい、ミリア。待たせちゃって、心配かけたわね」
「うん。遅いからちょっと心配してた。でも、ちゃんと戻ってきてくれてよかったよ!」
 このミリアという少女が、ティーナが通っているという孤児院の子供だというのは、その格好からすぐに分かった。
「ティーナ。もしや君は、この子と待ち合わせを?」
「はい。今日はもともとこの子と一緒に花を売りに来ていたんですが、カルマンさんと会って急遽種を受け取る流れになって。それで、別行動を」
「そうだったか」