拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 ティーナは年若いが、同年の少女らの中にはそろそろ婚約者を決めたり、恋人を持ったりする者も出始める時期だ。たとえ待ち合わせているのが男だとしても、俺がとやかく言うことではない。
 そう頭では理解しているものの、過ぎった想像になぜか胸がもやもやした。
「では、メーン通りまで送ろう。ラーラはあれに入れるのか?」
 ティーナの答えを待たず、ラーラを片手でヒョイと掬い上げながら問う。
『ふみゅっ《きゃん?》』
「え!? あ、はい。そこのバスケットで運びます。まだ、そんなに長く歩けないので」
「そうか」
 強引な自覚はあったが、ティーナがいとし子だと知ったからには、確認しておかなければならないことがあった。俺が送っていけば、歩きながら話す時間が取れる。
 けっして待ち合わせている相手の存在が気になったから、などという理由ではない。そう、けっして。
「では、行こうか」
「はい」