拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「きっとザイオンが先輩風でも吹かせているんだろう」
「まぁ! それは頼もしいですね! ふふっ、いい先輩ができてよかったわね、ラーラ」
『ニャーッ《これ、勝手なことを申すでない!》』
『みゅーぁ《ちっともよくにゃい》』
 精霊コンビは不服そうだが、その声はピッタリとハモっている。
 なるほどな。ティーナの言うように、二匹はなかなか相性がよいと見える。
「あの、ファルザード様。私、そろそろ……」
「ああ、帰るのなら送って行こう。家は中央地区か?」
 貴族邸宅が多く建ち並ぶ地区を挙げれば、ティーナは首を横に振る。
「屋敷は中央地区なんですが、まだすぐには帰りませんから送りは結構です」
「なに。寄りたいところがあるのなら、そちらを回って帰ればいい。遠慮はいらん」
「いえ。遠慮ではなく、メーン通りで人を待たせているので」
 なんと、連れがいたのか。……まさか、男ではあるまいな。