拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「……それは、よろしいのですか?」
 両手を挙げて喜ぶミリアを余所に、私は少し怪訝に思いながら尋ねた。
「王妃として公正であろうという君の心がけは立派だが、私室を彩る備品や私的な品に関しては、己の趣味嗜好で選ぶくらいの自由があっていいと俺は思っている」
 なるほど。王であるファルザード様がそれをよしとするのなら、もちろん私に否やはない。
 なにより、私的に楽しむこと前提でミリアの花を選んでいいのなら、私とて喜んでそうしたい。
「そうですか。どうやら完璧な王妃を意識しすぎて、肩肘を張りすぎていたようです」
「まぁ、それもなくはないが。だが、なにより俺が、君が一番喜ぶものを選びたい。きっと君は、ミリアの店の花を他のなにより喜んでくれるはず。ならば、これを購入しない手はない」
 耳にして、驚きと喜びが胸の中で交錯した。こんな台詞をサラリと口にするなんて反則だ。
 ……だって、こんなことを言われたら、もっとファルザード様のことが好きになってしまう。