拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 彼女の目覚ましい成長に、私は声をなくしていた。
 ……見事だわ。
 通りで萎れかけた花を握りしめ、尻もちをついて肩を落としていた幼いミリアはもういない。彼女の目は既に先見の明を持つ立派な商売人のそれだ。
「叶うわ。あなたなら、その夢をきっと現実にする」
「ティーナにそう言ってもらえると百人力だ。実現できる気がするよ! ちなみにさ、あたしが商売を始めた時は、王城の晩餐や舞踏会場を彩る花を、きっとあたしの店から買ってくれよな!」
 なんと商魂逞しいのか! ニコニコと邪気のない笑顔で告げられて、油断すればそのまま頷きそうになってしまう。
 ミリアの決意は尊敬に値するし、ぜひ協力してあげたい気持ちにもなる。だけど、私だって立派な王妃になると決めたから。
 だから心が痛むけれど、ここは公私混同と言われないように、王妃として正しい回答をしなければ……!