拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 そう、出会った時からずっと、ファルザード様は〝私〟を尊重してくれた。ありのままの私をそっくりそのまま受け入れて、愛情を注いでくれる。そんな彼に、何度心救われて、助けられたか分からない。それは、婚姻を結んで王妃になってからも同じ。
 緘黙の症状はなくなって久しいが、社交の場を遠ざけて過ごしてきた空白の年月はなくならない。王妃として彼の隣に立つには、圧倒的な経験不足は否めなかった。そんな至らない私を、彼が陰になり日向になり支えてくれていた。
 今は彼に助けられてばかりの私だけど、必ず彼の隣で彼を支えるに足る立派な王妃になってみせる──! だからファルザード様、もう少しだけ待っていてください。
 薔薇の手入れを進める広い背中を眺めながら、決意を新たにした。
「そっか、愛されてるんだ」
 ミリアの口から『愛』という単語がサラッと出てきたことに驚く。