拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「ふたりを追いかけて辿り着いたのはお城だった。女性が門番に紋章かなんかを見せて、ふたりはそのまま中に入ってったけど、平民の俺じゃ入れない。仕方ないから帰ろうかと思ってたら、わりとすぐ出てきたんだ。その時、女性はなぜか尋常じゃないくらい全身の毛を逆立てたティーナのネコを後ろに引き連れてた。相変わらず、ミリアのことは抱き込むような格好のまま」
「その時、俺のネコは一緒にいなかったか?」
 すかさずファルザード様が問う。
「ファルザード様のネコって、黒いネコだよね? いなかった……いや、そういえば少し距離の離れた茂みで黒っぽい影が揺れてるような気がしたんだけど、もしかしたらあれがそうだったのかも」
 きっとザイオンは、わざと身を隠しながらミリアたちの後を追っているのだ。
「そうか。それで、その後はどうなった?」