拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 なに? 門番の厳しい声が響いた。
「それなら、俺は入らなくてもいい! その代わり、どうかティーナに伝えてくれよ!? 街の人たちが城に入って行くのを見たって言っていたんだ。絶対に、ここに来てるはずなんだ!」
 あら? この声は……!
 耳にした瞬間、走りだしていた。
「やっぱり、ライアンね! どうしてここに?」
 辿り着いた正門で、格子越しに門番に食い下がっていたのは、木登りの名手にしてミリアのよきライバルで一番の仲良し。ちょっと腕白だけど、素直で優しい心を持つライアン少年だった。
「ティーナ、よかった! お願いだ、すぐに来てくれよ! このままじゃ、あんたのネコが殺されちゃうよ! ミリアだってどうなっちゃうか……!」
 ライアンの口から飛び出した物騒な内容に青くなる。
「どういうこと!? いったいなにが……っ」
「待て、詳しいことはミリアたちのもとに向かいながら話そう! 案内を頼む!」
 動揺する私の肩をトンッと叩き、ファルザード様が冷静にこの場を仕切る。
「こっちだよ!」