拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 実は、陛下との面会を終えて前庭に戻って来たら、ここで待っているはずのラーラとザイオンがいなくなっていたのだ。
 最初は、面会が予想外に長引いてしまったから、飽きて王城の広い庭を散歩でもしているのだろうと軽く考えていたが、一向に見つからない。
 ラーラは精霊だが人の世にやって来て日も浅く、まだまだ未熟な部分もある。なにか重大なトラブルに巻き込まれてしまったのではないかと、気が気でなかった。
「そうか。こちらも軍務施設の方をひと通り確認してきたがいなかった。幾人かに尋ねてみたが、皆見ていないと言う」
「そうですか。いったい、どこに行っちゃったんだろう」
 ザイオンが一緒だから、大丈夫だと信じたいけれど……。
「もう一度、前庭の方に回ってみよう。戻ってきている可能性もある」
「はい」
 足早にファルザード様と前庭へと向かう。
「もし、これで見つからなかったら──」
 ファルザード様が今後について口を開きかけた、その時。
「ここはお前のような者の入ってよい場所ではない! 帰れ!」