拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

「なんだが思わせぶりですみません。実はですね、この一週間患者さんの看病をしながら、ふたつ気づいたことがあるんです。一個は、さっきお話した私の声掛けで患者さんが元気になるというのなんですが。もう一個が、闇魔力で病の根治ができるんじゃないかという可能性です」
「詳しく聞かせてくれ!」
 ここからティーナが語ったのは、信じ難い内容だった。
 そもそも熱病は〝病のもと〟が人間の中に入り込み、その機能を借りて自らを増殖し、人々を内側から弱らせてしまうことで起こる。そしてラーラの光魔力は、人々がもとから持っている生きようとする力を活性化させ、〝病のもと〟の撃退を助けている。ただし、病のもとを取り去っているわけではない。
 一方で、ラーラが生命を司る光の精霊なら、闇の精霊であるザイオンは死を操る。ならば〝病のもと〟それ自体を死滅させられるのではないか?
 これが彼女が一週間の経験から示した見解だった。
「……理にかなっているな。見事な洞察力だ」
「やってみる価値は十分にあるのではないかと」