拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

『ニャー《ファルザード、少し外すぞ。……ラーラ、来い。話がある》』
『みゅっ《わわっ?》』
 ザイオンが俺に告げ、閉まりきる前にラーラを引っ張って扉から出ていった。
 ティーナは驚いたように二匹が出ていった扉を見ていたが、すぐに俺に視線を戻した。
「夜分に急に訪ねてしまい、すみません」
「それは構わんんが……まずは、こっちに掛けてくれ。いったいなにがあった? そもそも、ここまでどうやって?」
 デスクの横に置いていた椅子を引いて彼女を促しつつ、逸る心のままつい矢継ぎ早に質問を重ねてしまう。
「どうしてもお話したいことがあって。あなたに伝えたいと考えだしたら、もう居ても立っても居られなくなってしまったんです。そうしたら、私を診療所まで連れてきてくださった方……カロンさんが見兼ねて連れて来てくださいました」
 彼女の口から飛び出した他の男の名に、言いようのない不快感を覚えた。
「君に逃げ出す選択肢を示したというジェニスの配下か。その男は今もここに?」