「申し訳ございません! 入ってしまったネコは、どういたしましょう?」
男が引きつった声で問い、それに向かいの座席の人物が答える。
「そのネコならいつもちょろちょろと後をくっ付いてきていたが、ろくに害にもならん。放っておけ」
この声! ガバッと顔を向け、目を細めれば──。
「やぁ、ティーナ。久しいな」
「っ!? ……ジェニス殿下!」
なんと、向かいの座席に座っているのは殿下だった。どうして!?
殿下の『放っておけ』の声を合図に馬車が走りだし、手の拘束が解かれる。ただし私の隣には、扉を塞ぐように私を車内に引き入れた屈強な体格の男が座り、向かいには殿下もいる。馬車の速度も徐々に上がってきて、ここから逃げ出す選択はできそうになかった。
やむなくバクバクと打ち付ける胸を押さえて、殿下に向き直る。
男が引きつった声で問い、それに向かいの座席の人物が答える。
「そのネコならいつもちょろちょろと後をくっ付いてきていたが、ろくに害にもならん。放っておけ」
この声! ガバッと顔を向け、目を細めれば──。
「やぁ、ティーナ。久しいな」
「っ!? ……ジェニス殿下!」
なんと、向かいの座席に座っているのは殿下だった。どうして!?
殿下の『放っておけ』の声を合図に馬車が走りだし、手の拘束が解かれる。ただし私の隣には、扉を塞ぐように私を車内に引き入れた屈強な体格の男が座り、向かいには殿下もいる。馬車の速度も徐々に上がってきて、ここから逃げ出す選択はできそうになかった。
やむなくバクバクと打ち付ける胸を押さえて、殿下に向き直る。



