結果、ラーラに強請られるまま、その一角のビスケットを全種類お買い上げというわけだ。
「あきらかに買いすぎたわ」
『みゅー』
そんなことないとでも言いたげにラーラが鳴く。
「もうっ。ラーラったらあれもこれもって、ちっとも聞かないんだもの」
『みゅー』
私のお小言などどこ吹く風のラーラは、腕にかけられたバスケットの中から伸び上がり、紙袋に顔を寄せてピンク色の小さな鼻をクンクンとヒクつかせていた。
……それにしても、ラーラってまるで私の言葉が分かっているような行動を取るわよね。本当に不思議な子。
焼き菓子店を背に、ネコらしくないというか、どこか人間臭いラーラに小首を傾げながら通りを歩いていたら──。
「小汚いガキがチョロチョロうろつくんじゃねえ! そんな萎れた花を買うわけないだろう! あっちに行けっ!!」
大きな怒鳴り声の後、なにかがぶつかるような物音がして、慌ててそちらを見やる。
「あきらかに買いすぎたわ」
『みゅー』
そんなことないとでも言いたげにラーラが鳴く。
「もうっ。ラーラったらあれもこれもって、ちっとも聞かないんだもの」
『みゅー』
私のお小言などどこ吹く風のラーラは、腕にかけられたバスケットの中から伸び上がり、紙袋に顔を寄せてピンク色の小さな鼻をクンクンとヒクつかせていた。
……それにしても、ラーラってまるで私の言葉が分かっているような行動を取るわよね。本当に不思議な子。
焼き菓子店を背に、ネコらしくないというか、どこか人間臭いラーラに小首を傾げながら通りを歩いていたら──。
「小汚いガキがチョロチョロうろつくんじゃねえ! そんな萎れた花を買うわけないだろう! あっちに行けっ!!」
大きな怒鳴り声の後、なにかがぶつかるような物音がして、慌ててそちらを見やる。



