拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています

 その時。小物雑貨店の軒下に設置された立て看板の下に身を隠すように丸まっていたラーラが、俺たちに気づいてトコトコとやって来る。
 ここ最近のラーラは花売りの際はバスケットに入らずに、自分の足で歩くようになっていた。
『みゅー《ザイオンにファルしゃま、こんにちは》』
『ニャー《おいチビ助、あれはいったいなんだ?》』
『みゅー《一昨日会った王子しゃまがね、昨日も今日もやって来てティーナに付き纏って離れないの。ティーナ、とっても困ってる。あたちもあの王子しゃま嫌いよ》』
 ザイオンが問えば、ラーラが肩を落として答えた。
 俺がさらに状況を問おうとした、直後。
「あんた発想がイカレてるぜ」
 なんとミリアがこれ見よがしに悪態をつき、それを聞き付けたジェニスが目を吊り上げた。
「おい小娘!? そなた今、なんと申した!?」
 ジェニスは声を荒らげ、ミリアに食って掛かる。