男性二人が自販機コーナーの横を通りかかる。
その内の一人が清水さんだった。

ぱっと目が合う。

「先行っててくれ。カフェイン入れてく」
「はーい」

後輩くんは私の姿には気付かなかったらしく、そのままエレベーターの方へ向かった。

「お疲れ様です」

頭を下げて、その横を通り抜けようとするのを阻まれた。長い腕に巻かれて、自販機前の椅子へと戻る。

「聞いて。今朝、群馬に九時集合だった」
「それはそれは、大変でした」
「戻ってきたら、今日飲み会だって言われるし」

目元を覆い、自販機へ向き合っている。