その問いを考えながら、立ち上がる。
インスタントでいいか、とケトルに水を入れた。
「……言葉の通りです。私から貰わなくても、チョコレートなら一杯あったでしょう」
「昨日も言ったけどお前から貰いたかったんだよ」
「……野々宮さんのより?」
言ってから後悔をする。
嫌な訊き方をした。自分と、他人を比べさせるなんて。
「聞いてたなら入って来れば良かったんだ」
「入れるような度胸があったら、私はチョコレートを渡してます」
「確かにな。それで妬いてたんだ」
コーヒーを待っているらしく、清水さんは手を止めてこちらを見た。



