つられるように清水さんも少し笑う。
「聞いたよ。チョコレートの種類とか知らんし」
「……ありがとうございます、わざわざ」
「で、これは俺の?」
先程からテーブルの上で存在感を放っている紙袋に手を添えて、清水さんは尋ねた。
流石にここで意地を張るわけにもいかず、頷いて返す。
「あるじゃん、チョコ」
「……昨日は無かったので」
「嬉しい」
素直に嬉しがる様子に、毒気を抜かれる。
この人のこういうところが、可愛いと思う。
「それで、昨日は何であんなに怒ってたんですか?」
早速食べ始めるようで、箱を開けている。



